イタリア語講座 第48回(10/24)・49回(10/31)講義録

中垣太良

第48回・49回講義は以下の範囲を購読しました。

[22] E l’ordine delle cose è che, subito che uno forestieri potente entra in una provincia, tutti quelli che sono in essa meno potenti gli aderiscono, mossi da una invidia hanno contro a chi è suto potente sopra di loro: tanto che respetto a questi minori potenti lui non ha a durare fatica alcuna a guadagnargli, perché subito tutti insieme volentieri fanno uno globo col suo stato che lui vi ha acquistato; [23] ha solamente a pensare ch’e’ non piglino troppe forze e troppa autorità, e facilmente può con le forze sua e col favore loro sbassare quelli che sono potenti per rimanere in tutto arbitro di quella provincia; e chi non governerà bene questa parte perderà presto quello che arà acquistato, e, mentre lo terrà, vi arà drento infinite difficultà e fastidi. 

【拙訳】事態の順序は次のようである。外国の有力者がある地域に入るや否や、その地域における、より弱小な勢力はみな彼らに与し、憎悪に動かされて、彼ら(弱小勢力)の上に権力を持っていた者に対して反逆する。かくのごとくして、この地域の弱小勢力について、侵入者は彼らを征服するのに、何らの労力をかけ続ける必要がないーーというのも、直ちに彼らは、ひとたびに、自らすすんで、侵入者が獲得したところの国と、群れだって合体するからである。[23] 侵入者はただ、過度な軍力と権力を持たぬよう思慮せねばならない、彼自身の軍事力と彼ら(弱小勢力)の援助とによって、権力を持っている者をたやすく弱体化させることができ、そうして当該地域全体の支配者になれるのだ。この点をよく抑えない者は、獲得した人民をすぐに失い、もしくは彼らを保持するにしてもその間、その地域で数限りない困難と労苦とに直面するだろう。

【語注】・suto:現代イタリア語のstato ・arà:現代イタリア語のavrà

今回の講義では、講読のあいま、アリストテレスの著作についてのお話を交えながら、複数の写本を校合して校訂本文を定めるプロセスについて文献学の基礎講義が行われました。これは単なる衒学に留まりません。いまわたしたちは、Inglese版本文、そしてMelograni版本文と訳文とを主に照らし合わせながら『君主論』を読んでいるのですが、Inglese版の本文は、校訂者が信頼する手稿を忠実に再現したもの、それに対しMelograni版本文は校訂にあたって、読者の便宜を図り、綴り字などについて最低限の手を加えてある。前者を読むのは、例えるなら写本を読み解くのに近しいわけです。したがってマキャベリのイタリア語にまだ慣れていない間は、予習の際には後者の本文から入り、飲み込めない箇所については訳文も参照しつつ、Inglese版本文は読みの確認に用いるのが良いだろうという、予習のこつについてのお話とつながったのでした。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です