本日は『方法叙説』第二部の後半、 デカルトが自ら定めた4つの規則について言及する箇所の読解を行 いました。
本書のタイトルは日本語で『方法序説』とも『方法叙説』 とも訳されることがありますが、 前者は本文が屈折光学などの論文の前に置かれていることを踏まえ ているものであります。しかし、本書は”discours (de la methodoe)”すなわち「(方法についての)談話」 である以上、 これをただの序文として読むのはふさわしくないという考えを示さ れた上で、諸規則の読解にあたり、それが文体上、 後に続く論文の構成を示す序文であるよりも単に自らがこれまでの 人生で心がけてきたことの語りとして読まれるべきであるとのお話 がありました。これはデカルトの生涯における『方法「叙」説』 の位置付け、 及びわれわれの読者としての態度を見直させるものでありました。
またデカルトの哲学における主要概念である、明晰・ 判明そして真理という概念についての議論の後、トマス・ アクイナスの「真理論」、アリストテレス以後の「意味論」、 ソシュール以後の「記号論」 はいずれも印欧語の言語的制約によって生まれた三位一体のペルソ ナであると看破するのが「記述論」として、 記述論による西洋哲学の新見解を示し、 受講生達をあっと驚かせたところで授業は幕を閉じました。
(板尾)