本日の授業をもちまして、『方法叙説』第三部を読了しました。第三部ではデカルトが人間社会を生き抜くためにたてた諸格律が紹 介され、また彼が社会にあって人々を観察しつつ知的探求を行い、孤独にそれを深めていくに至るまでの過程が述べられています。第三部の授業においては、 先生が再三デカルトの人の良さを強調していらっしゃったのが印象的でした。本日の授業においても、デカルトは自らについての過大な風評に見合うだけの人間になるべ く努力せねばならぬと言っていて、このような真摯な姿勢は確かに人に好かれる所以であります。デカルトと言えば多量の書簡が遺されていることでも有名ですが、 人間としてのデカルトの魅力はこのような人付き合いの跡にも現れているのでしょう。
一つのテクストから学び取るものの量と質の可能性は原典研究所で学ぶ中で私が強く意識するところでありますが、『方法叙説』の読解を通じて、 人とうまく付き合うための身の振り方を考えることもまた一つの可能性であると感じます。
(板尾)