講義紹介 2017/08/04(金)

金曜日には、Time購読を引き継いで、現代地政学講座を開講しています。
現在はフーヴァー元米大統領の回顧録”Freedom Betrayed”などを参考に大東亜戦争の開戦過程を学ぶほかに、国際情勢、政治情勢を論議することもあります。
諸方面で活躍されている社会人の方々が参加しており、最近世俗から距離を置いている私でもこの講義に毎週来ていれば世情に疎くならずにすみます。

フーヴァー元大統領の回顧録では公文書と外交当事者の著作がふんだんに引用されており、チャーチルとルーズベルトの視点から日米交渉を考えることができます。
米国を抑止するために大陸の大国であるドイツ、ソ連と友好関係を保つという松岡外交は結果的には失敗しましたが、外交政策として筋が通った考え方であったと思います。
野村駐米大使が着任した当初にアメリカに多少相手にされ、日米諒解案などの成果が得られたのも日本が独ソに接近する姿勢を見せたためです。アメリカのオーラルステートメントに従い松岡を外して再度組閣し、「誠意を見せる」方式で行った対米交渉は時間稼ぎに利用されただけでした。
英米の経済制裁によって石油など戦争遂行に必要な物資が供給できなくなり、時間がたてば日本は英米に屈服するしかなくなるためです。
交渉に際して最初から相手の要求を忖度して譲歩することで「誠意を見せる」やり方は日本政府が外交においてたびたび行っていますが、相手国は日本が恐れて弱みを見せたのだと受け取るだけで、要求が次々に拡大していきます。
相手にも謙譲の精神を期待した交渉は外交では通用せず、大東亜戦争のように追い込まれて全てを奪われる結果になるということが分かります。
(以上は全て私見であり、原典研究所を代表する見解でありません。)

(阿部)

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