講義紹介 2017/08/08(火)

 エウテュプロン(Ευθυφρων)は、プラトンがソクラテスの裁判と刑死を描いた4部作の序幕である。刑事裁判を担当する執政官の建物でソクラテスが知人エウテュプロンと出会い、ピトテウスのメレトスなる人物がソクラテスを告発したことが語られる。

ソクラテスがメレトスを評する以下の一節がある。
τὸ γὰρ νέον ὄντα τοσοῦτον πρᾶγμα ἐγνωκέναι οὐ φαῦλόν ἐστιν.
最初は構文が分からなかったが、古典ギリシア語では不定詞に冠詞が付くことがあること先生に指摘されて理解することができた。
「というのも、(メレトスが)若くしてこのような問題を理解するというのはただならぬことだからね。」

 古代ギリシアでは民事訴訟をδικη公敵としての告発をγραφηと言った。ソクラテスが受けた公敵としての告発(γραφη)は、彼が結果として死刑を宣告されたように、過酷な刑罰を伴うことがしばしばであった。にもかかわらず、ソクラテスは自身を告発した相手を「賢い」と皮肉を込めて(?)評するユーモアを発揮している。
 なぜソクラテスはメレトスを称賛するのか。その理由は次回に明らかになるであろう。

お盆休暇について
原典研究所は11日(金)から17日(木)までの一週間、お盆休みで休講となります。
18日(金)から平常通り講義を開始します。

(阿部)

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