講義紹介 2017/08/19(土)

一週間のお盆休みを挟み、第102回となる今回は、前半にいくつか稀覯書を展覧していただき、後半はあらためてヨーロッパ世界とその外との関わりが取り上げられました。

世界史の本筋からは離れますが折角ですので展覧していただいた書物をすこしご紹介しますと、Stallbaumによるプラトンの校訂版、スピノザのGebhardt版、キルケゴールの最初の全集(デンマーク語、初版)などです。「こういうものを本と呼ぶのだよ」と先生は仰います。本というのは、時代のなかで編まれ読まれてきた、そういう実体的なものだということだと思って聞いております。

世界史講義の本編では、E. E. ケアンズ『基督教全史』が登場しました。普通「キリスト教全史」というものは書かれないので、何故というに様々な宗派がありそれぞれに歴史があるからですが、これはいま問題にしている東西の教会をも含むものです。またC. ドーソン『ヨーロッパの形成』とH. ピレンヌ『マホメットとシャルル=マーニュ』が対比的に紹介されました。有名な「ピレンヌ・テーゼ」つまりヨーロッパ中世の形成はイスラム勢力に拠るものだ、という図式を提示し、以て今後の世界史講義の指針を示すためです。そしてヨーロッパへのイスラムの影響を考えるためには、ビザンツの動静を見て取らねばなりません。そこからさらに「シルクロードの宗教」を問題とすることによって、話は仏教へと繋がっていくはずです。

(宮田)

 

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